実は、試してみたわかったのですが、
AXIS cameraからNASのQNAPへの録画方法は大きくわけると２つあったということは、
前回の概要で説明した通りです。

今回は各論、詳細です。

ここに書かれているのは、QNAPとAXIS cameraの組み合わせる設定方法に絞られています。その前提として、QNAP自体の構築が必要ですがこのような設定や、買った直後にAXIS cameraにIP設定したりFirmwareをバージョンアップするというような設定、つまり、これらの前提となるような設定については、（それでも簡単に書いて触れておきましたが量的にも膨大となるため説明しきれませんので）説明していません。これらのことについては、他のサイトで情報収集してください。

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２つの方法を、さらに掘り下げる。
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AXIS cameraからNASのQNAPへの録画方法の２つは、さらに細かく分けられます。

■■Ａ、パソコンや録画サーバーのアプリ側で指定して、ＮＡＳへ録画する方法は、さらに２つ。

【Ａ１】AXIS camera companionというメーカー提供のフリーソフト（無料ソフト）で設定し録画する方法。
【Ａ２】QNAPの中のSurveillance Stationというサーバー内のアプリで設定し録画する方法。

■■Ｂ、カメラ内のファームウェアで指定して、ＮＡＳへ録画する方法も、さらに２つ。

【Ｂ１】基本設定→イベント→送信先で設定し録画する方法。
【Ｂ２】システムオプション→ストレージで設定し録画する方法。

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【Ａ１】AXIS camera companionというメーカー提供のフリーソフト（無料ソフト）で設定し録画する方法。
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AXIS camera companionは、AXIS社サイトで、メール登録するとダウンロード可能です。
これをパソコンにインストールした後、ソフトのいうまま、設定を作れば、簡単に録画サーバーができます。

外部サイト：　メーカーの説明ページ
（注：時々場所が変わるのでリンクが切れている場合は、ご容赦ください。）

録画は、AXISカメラとQNAPの間で自動的に行われます。
camera companionは、あくまでクライアントソフトですので起動したままにしておく必要はありません。
後は、設定を変更する時、録画内容を見る時、この時だけ起動すれば充分になります。

設定のコツですが、できれば最初に、下記のＡ２を実行します。
つまり、まず、Surveillance Stationを起動し、カメラ設定で、カメラをつなぎます。
そうすると、いろいろな設定がSurveillance Stationからカメラに入ります。
これが終わったら、Surveillance Stationからカメラ設定の接続を外します。
そして、改めて、Ａ１の設定したほうが、
いろいろな設定が事前に入っているので設定が楽になるというわけです。

ずいぶん古いことなので、上記のコツは、単なるおまじない程度のことかもしれませんので、その点、ご注意ください。（メモによれば、camera companionでネットワーク共有がうまく設定できないことがあり、そこでSurveillance Stationにつないでみる・録画するなど試した後、もう一度、camera companionで試したみたところ、すんなりいったとなっていました。これ以後はカメラ台数増やした時にはそうしています。）

このようなおまじない的な方法で、非科学的な方法ですが、そうとはいえ、camera companionでうまくいかなくなった時にはSurveillance Stationへ、Surveillance Stationでうまくいかなくなった時にはcamera companionへと、すぐに切替えられますので、予備システムの確保にもなりますので、お勧めします。

というのは、経験談として…→AXIS　カメラのファームウエアを日本語化しようとしたところ、古いバージョンにダウングレードしないとできないとの回答があり、その通りにしたところ、結局、日本語化できない時がありました。その途端、camera companionとQnapとの接続が切れ、再接続できない状況がしばらくつづきました。こうなってしまうと、防犯カメラなわけですから、映らない、録画できないのは意味がないので、緊急退避措置として、以前接続設定のしてあったSurveillance Stationへ急遽切り替える対応で難を逃れたということがあったからです（後に復旧しましたが）。この場合、接続線を変えたり、新たにサーバーを立ち上げるなどすることなく、設定画面上で、接続するだけで済みました。（この点で、QNAPには、２つの防犯カメラサーバーシステムが同時に動かせるので、このようなアクシデントには強いともいえます。）

注意：
個人的な使用であるならば、QNAP内のcameraフォルダーへ録画するよりも、Multimediaフォルダーへ録画するほうが、後々、便利になる可能性が高いです。（他のマルチメディア同様、DLNAで外部から参照可能だから。同じネットワークの居間のテレビなどでも見れるようにできる可能性が出てくる。もちろん、QNAPのサーバーの設定では、Multimediaフォルダーだけでなく、他のフォルダーに指定ができますので、この設定を変える方法もあります。）

注意：
camera companionでは、各カメラのストレージを設定する際、「ネットワーク共有に接続する」ウィンドウでNASを選択した時、断続的に２回、ＩＤとパスワードを聞かれます。最初の１つ目は、カメラ用のＩＤを求めていて、２つ目は、QNAPに管理者権限で入れるＩＤを求めています。特に２つ目は何のIDのことなのか見当がつかないと、まったく先に進めません。注意が必要です。

したがって、１つ目の為に、IDは、事前に、QNAP管理画面のコントロールパネルのユーザー設定で作っておく必要あります。どういう名前のＩＤでも構いません。そして、記録したいフォルダーの読み書きアクセス権も設定しておいたほうがよいでしょう（詳しく検証していませんので、ご自分で確かめてください）。

注意：
AXIS camera companionは、カメラを経由して、QNAP内の録画をとりだすので、何らかのトラブルでカメラにアクセスできなくなると、録画が見れないという欠点があります。（ソフトの使い勝手は、Surveillance Stationより、良いように思いますが。）

特に、カメラに動体検知などの負荷をかけると、その現象が顕著に出るので、その点は注意する必要あります（後述あり）。

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【Ａ２】QNAPの中のSurveillance Stationというサーバー内のアプリで設定し録画する方法。
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QNAPの中のSurveillance Stationは、まず、
QNAPにログインし、管理画面のApp centerなどで、事前にインストールする必要があります。

Surveillance Stationはカメラ２台（機種によっては１台）までの無料ライセンス付なので、とりあえず無料で使用できます。
（ｲﾝﾀｰﾈｯﾄ経由でライセンスを購入可能です。１台分５０ドル前後。Paypalで支払い可能。）

注意：
Surveillance Stationは、デフォールトで、QNAP内のRecordingsフォルダーに記録することになっていますが、Multimediaフォルダーへ録画するように切替も可能です。設定画面に設定項目があります。

注意：
Surveillance Stationは、カメラを経由してQNAP内の録画をとりだす方法と、サーバーから直接取り出す方法の２種類をサポートしているようです。（推測ですが）カメラを経由してQNAP内の録画をとりだす方法の場合は、camera companionと同じ欠点に見舞われる可能性があります。（Surveillance Stationで「モニタリングページ」ボタンを押し、ライブ映像ができている時、各カメラ映像の中の「カメラ情報」ボタンを押し、ポップアップで「ﾌﾟﾛﾊﾟﾃｨｰ」を押し、「ストリーミング」で設定する。）

なお、Surveillance Stationは、ＰＣにインストールするソフト（アプリケーション）ではなく、録画サーバー内のアプリなので、その前提として、QNAPにアクセスできるＩＤを作る必要があります。（私は管理者と使用者用に２つ作りましたので、試してはいませんが、）個人使用であれば、すべて、１つの管理者IDで通すことも可能かもしれません。

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【Ｂ１】基本設定→イベント→送信先で設定する方法。
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AXIS cameraへログインし、設定画面内の、
イベント→アクションルールの中の送信先は、
イベント→送信先の設定と関連づけるようになっています。
（何もなくても、サーバーにログインしているような状態の表示になっています。）

注意：
ユーザーのお好みの設定にしたいということで、全て手で設定するよりも楽ができるので、
一度、まず、Ａ１、Ａ２の方法で、AXIS camera内にある程度の設定を入れてしまうほうがよいでしょう。

注意：
QNAPには、camera companionかSurveillance Stationが作ったサーバー接続設定を使います。
そのユーザー名（ＡＣＣ＿カメラのシリアルナンバー）を探しだす必要があります。
後に、クォーター設定などで、その領域をいじることになることがあるからです。

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【２】システムオプション→ストレージで設定する方法。
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AXIS camera companionかSurveillance Stationを使うと、この部分を自動で設定してくれます。
ただし、事前に、それとは別にQNAPユーザーとしてログインできるＩＤを用意しておくことが必要です。

自分のＩＤを使いまわしてもよいですが、１つのカメラに１つ程度のログイン用ＩＤを用意するほうが、よいでしょう。
最初から、JPEG画像用１つ、カメラごとに１つの割合でＩＤを作っておいたほうが、後で楽ができる可能性が高いです（あくまでカメラから静止画のjpeg画像を送って記録する場合に限ります）。

注意：　（動体検知を独自に設定したい人には、とても重要な情報）
カメラ本体には、もともと動体検知機能が入っています（カメラ設定画面の検知→動体検知の部分）。
しかし、camera companionでは、追加アプリケーションを使って動体検知を行っている模様です
（カメラ設定画面のアプリケーション→アプリケーションパッケージの部分、おそらくプラグイン）。

このため、camera companionで動体検知を行いだすと、本体内の動体検知の方が停止してしまいます（または、停止させられてしまいます）。つまり、同時に２つの動体検知を動かすことができないです（できないようなのです）。

このような状況ですので、（カメラ設定画面のイベント→アクションルールの部分のそれぞれの設定の中での条件トリガーの話ですが）動体検知をおこなってＪＰＥＧ画像をネットワーク上のフォルダーに入れたい場合は、検知を使うのではなく、アプリケーションをトリガーにして、画像送信を行うしかありません。

注意：
ＱＮＡＰを複数台持っていて、記録先を別のＱＮＡＰに変えると、今までのものは、camera companionには録画記録が表示されないので注意しましょう。もちろん、元のQNAPにつないでみると、また、出てきますので、元のQNAPの方のフォルダーには、今までの防犯カメラ記録映像が残ったままになっているようです。

注意：
camera companionは、複数のカメラをつなぐと、QNAPのクォーター設定を自動で勝手に変更し、全ユーザー同一設定にしてしまいます。（クォーター設定をしていない場合にだけに限られている場合も考えられますが、検証していません。）

たとえば、最初に1台カメラを使って運用していたとしましょう。camera companionが自動にしたクォーターサイズの設定が、既にある録画よりもよりも小さい場合、クォーターサイズを超えてしまったということで、録画が切れてしまうので注意しましょう。

このようなことが起こるので、クォーター設定の表のステータスの欄がマイナスになっていないかをチェックすることが必要です。
そして、ユーザー名（ＡＣＣ＿カメラのシリアルナンバー）を見て、カメラの録画領域を増やす必要があります。
しかし、ネットワーク共有でストレージ設定しようとすると、その都度、全て自動で設定を変更しようとするので（するように見えるので）、その設定変更を試みようとすることを見越して、領域をいじる必要があります。

この調整をしきれない場合は、まず、カメラのＩＤの中で、ステータスがマイナスになっているものは、あきらめて録画を消すしかありません（あきらめられない時は、ＨＤＤの容量を増やすか、ファイルをどこか別のHDDに移動させるしかありません）。

そして、全ユーザーを１～３０メガbyte程度にクォーターを割り当てて設定し（もし、ステータスがマイナスになるカメラのＩＤがあると、その時点で録画が途切れるので注意）、それが終わってから、camera companionでネットワーク共有設定を行うようにします。

最後に、一度、設定が終わったカメラのＩＤのところだけ、クォーター設定の容量を増やせば完璧です。

注意：
クォーター関係の設定をいじった結果、録画が止まった場合は、設定画面の録画開始のチェックマークをはずした後つけなおすとかしても録画が再開されません。この場合は、再度ネットワーク共有の接続からやりなおさないと、録画が開始されないことを忘れないようにしましょう。

注意：
拡張した後なども、カメラ録画の接続がおかしいようなら、このクォーター関係の設定も、再度見直したり、適応ボタンを押して、設定を更新したりしてみましょう（おまじない的ですが）。

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【録画容量の目安：AXIS companionでの試算値】
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1920×1080、フレーム５、９２～１８３Ｇバイト、30日で約2.7〜5.4Ｔバイト。
1280×720、フレーム５、３６～７２Ｇバイト、30日で約1〜2.1Ｔバイト。
800×450、フレーム５、１３～２５Ｇバイト、30日で約0.4〜0.8Ｔバイト、３ヶ月で約1.1〜2.3Ｔバイト。
640×360、フレーム５、８～１５Ｇバイト、30日で最低で約0.25〜0.45Ｔバイト、３ヶ月で約0.7〜1.4Ｔバイト。

640×360、フレーム１８、７～１３Ｇバイト、30日で最低で約0.2〜0.4Ｔバイト、３ヶ月で約0.6〜1.1Ｔバイト。

フレームについて、動きを重視したいなら、１８フレーム程度必要ですが、
カクカクした動きであっても前後の動きを確認できばよいという考えなら、
フレーム５で実用に耐えられるレベルの録画が可能です。

漠然とした話で申し訳ないですが、一般家庭レベルにおける防犯カメラ映像は、解像度・フレーム数あわせて、高すぎても、低すぎても、よくないです。バランスを重視しましょう。（私のところでは、ケーブル線は、防犯カメラ業者さんのはった所以外は、当時の最新最速のカテゴリー６ケーブル＋ギガバイトのHubにリプレースし、高負荷のファイル転送に耐えるようなLANを構築しています。しかし、一個人としての用途で、できるだけ安く仕上げようとすれば、ケーブルは昔のもの（例えば10baseで使っていたケーブルなど）を使いまわすでしょう。ネットワークは途中が一カ所でも遅いと、その部分に引きずられるので、この点を忘れて、高解像度・高フレームを追求しすぎ、結果、高負荷のファイル転送で重くならないように注意しましょう。

外部サイト：　ブログ　ネットワークカメラのデメリットについて

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【負荷のかけすぎの問題】
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カメラに内蔵されてる検知機能は負荷が高いようです。

たとえば、companionで常時録画しながら、同時にカメラに独自の検知をさせようとすると（録画できないということはありませんが）、companionを起動してもカメラに接続できなくなる時、または、何度も接続エラーした後でやっと接続になる、という状況がでてきます。

このような症状に見舞われると、companionはカメラを通じて録画を再生するので、見たい時に、記録映像を見られないということになってしまい、とても不便します。

これを避けるには、どうしても、カメラ内蔵機能を使わずに、Surveillance Stationやcamera companionで、常時録画するだけ、という運用にならざるをえません。

ちなみに、AXISカメラは、独自のチップを使用していますので、処理能力はそれなりにあります。メーカーのうたい文句では「800×600で20フレームであれば、最大４クライアントの同時接続可能」としていますので、処理能力的には高いです。

問題は、こればかりは、メーカーのうたい文句だけでは判断できないので、実際に買って使ってみるしかありません（この点で、実際のユーザーの話が一番参考になるのですが…。）

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【検知機能についての問題】
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検知機能の設定方法は、２つあります。
Surveillance Stationやcamera companionで設定する方法と、
カメラの管理画面で独自に設定する方法です。

camera companionで検知機能を設定すると、
例えば、２４時間のうち、数人しか通らないような通路を、いつ通ったか？
これを、後から見たいという用途の場合は、検知した部分に赤い印がでるので、非常に便利です。（＊１）

しかし、カメラの撮影範囲の中を、（たとえ端でも）車が何回も通過するような場所の場合、難航します。
所詮、機械による判定なので、微妙な判定がうまくできてない場合がある＝思うような検知できないからです。

たとえば、
camera companionで設定する場合、検知範囲を設定し、その範囲内で、動きがあったかというだけの単純な判定のみですが、
カメラへログインして内部の設定画面での設定する場合、さらに、もっと細かく設定も可能です
（どれだけの大きさのものが動きがあったのか、それを、どの程度の感応度合で動きとして判定するかというような設定が可能です）。

しかしながら、たとえ、こういう細かい設定ができたとしても、感知にまとわりつく問題点は避けることができません。
なぜなら、光線の変化で感知してしまうからです。何も動いていないのに感知することがあるのです。

たとえば、１２月になって、ホールにクリスマスツリーを飾ったとしましょう。
そうすると、このツリーのライトの点滅で感知してみたり、
たとえ、映りにくいところにツリーをおいても、窓へのちょっとした写り込みの反射で検知してみたりと、
過剰な検知になってしまうことがありますし、
だからといって、検知レベルを落とすと、逆に、人が通っているのに、感知しなかったり、
というようなことが起こるのです。

これを避ける為、昼と夜では、感知の設定を変えて、設定を別に作る必要があるなど、
どんどんと設定が複雑になっていきますが、それでも誤検知を無くすことはできそうにありません（途中で頓挫しました）。

結局、結論としては、１００％信頼がおけないので、
最終的にはすべての時間の録画を、人の目で確認する必要に迫られます。

検知という機能は、あくまでも、後から検索を楽にする為の目安や付箋くらいに考えるべきです。
（まず、目安の部分を、断続的に飛ばしながら再生し、それでも見つからない時だけ、
　検知されなかった場合を考えて、目安のないところを見るようにする。）

その点で、camera companionの動体検知機能で、赤い印が付くのは、大変便利なのです
が、下記の＊１のような問題があり、便利なレベルが高くないのが残念です。

（＊１）
camera companionでは、検知による録画をすると、録画記録の帯の上に、赤い線がつきます。
後から録画を見る場合、目印になり、とても便利な機能です。
ただし、たいへん便利ではあるのですが、実用性を大きく落とす大きな欠点があります。

というのは、camera companionの内部では、
検知による録画と常時録画をファイルを分けて記録しているようですので、
検知による録画の所にさしかかると、録画ファイルの切り替えを内部処理で行う為、
そこで、２～３秒近く再生の遅延が生じるからです。

カメラ１台の記録映像を再生して確認するだけでしたら、それほど気になりませんが、
複数台のカメラを同時再生させた時に、これでは、とても見にくくなってしまうのです。
これに加えて、camera companionは各カメラ経由で再生をするので、
なんども検知による録画と常時録画をファイル切り替えた再生
（ちょうど映りはじめた前後の確認のため、なんどか再生箇所を微妙に動かしたいときがある）をすると、
負荷がかかりすぎて、カメラ自体へのアクセスが遅くなるので、再生が中断してしまうのです。
（メーカーには、早く改善してもらいたいと思います。）

注意：ある程度、検知機能を試した後だったので、Surveillance Stationの検知機能であるイベント管理は深く試したことがありません。したがって、ここではその評価を抜きにこの記述になっていますので、その点、ご注意ください。

簡単には試した限りでの評価は以下の通りです。
　Surveillance Stationでの検知は、検知するかしないか、しか設定ができません。この点では、camera companionの設定より劣ります（camera companionは、どこを検知領域にするか設定できる）。そして、再生時にはタイムスケールの拡大も不充分ですので、せっかくの赤い印も小さく境目が判別しにくく、camera companionより操作性で劣ります。
　しかし、検知による録画と常時録画をファイルを分けて記録しているようですが、検知録画と常時録画の切り替えはスムーズに行われ、ストレスを感じません。その点からいって、検知による赤い印をつけるのであれば、Surveillance Stationのほうが実用的です。
　また、検知した画像のみ飛ばしながら再生もできます。ただし、同時に再生のカメラのほうについている赤い印がないと「画像がない」ということで他のカメラの映像は同時に見られません（通路の奥から人が歩いてくる部分をとらえるカメラと、ドアの部分と、２つのカメラがあった場合、ドアの部分を通過した時に検知の赤い印があっても、通路奥のカメラに検知をしていないと、関連した再生にはできない）ので、どこまで実用的かは測りかねます。（＊５で後述）

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【とりあえずの結論と、２つの方法のA1(AXIS camera companion)、A2(Surveillance Station)の比較】
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負荷の問題は、カメラ内蔵の感知機能との併用で起こる問題なので、常時録画だけで運用するのなら負荷は高くならないようです。
ですので、Surveillance Stationとcamera companionの両方にカメラをつなげても、両方で同時に録画ができます。

したがって、こうやって併用して常時録画をするのが、実用上では一番使える方法ではないかと推測されます。

camera companionの得意な部分は、操作性が良いこと、手軽なことです。
Surveillance Stationよりも録画映像を見る操作が洗練されており使いやすいので、
簡単に録画をチェックしたい時は、こちらが適しています。

camera companionの性能：
　録画再生は、２倍速刻みの８倍速まで。
　バックボタンで３０程度一度に戻れる。（逆再生より便利な時が多い。）
　複数カメラの記録の同時再生で、再生画像囲みの大きさを自由に変えられる。
　AxisFilePlayerというソフトが別途付いており、1台のカメラの記録映像なら確認が可能。（＊２）
　何台のカメラを使っても、タダ。

Surveillance Stationの得意な部分は、性能が高いことです。
　１、逆再生も－１６倍まできる、
　２、同じカメラの画像を９分割で見ることができる、
　３、過去の録画に改めて動体検知をかけられる、
ので、後から入念にチェックしたい時は、こちらが適しています。

Surveillance Stationの性能：
　録画再生速度は、0.1倍速刻みで16倍まで。逆再生も－１６倍まである。
　１つのカメラの画像を、時間帯をずらして、４～９分割して同時並行にみられる（＊３）。
　過去の録画に改めて動体検知をかけられる（＊４）。
　複数カメラの記録の同時再生も可能。（全チャンネルを操作というボタンがある）
　DecryptPlaybackというソフトが別途付いており、1台のカメラの記録映像なら実用的なレベルで確認が可能。（＊２）
　２台のカメラまで、タダ。後はカメラ１台ごとに５０００円程度のライセンスが必要。

注意：
　Surveillance Stationの内部処理は、通常録画と常時録画のファイルを別のフォルダーに入れていますので、DecryptPlaybackなど別ソフトで再生する時は注意が必要です。

（＊２）
camera companionとSurveillance Stationともに、カメラ再生ソフト以外に、録画ファイルを再生するソフトが付いています。
カメラ映像の記録ファイルは、NASの中に、たとえば１０分程度ごとに１ファイルというように分割されて記録されています。
これらをAxisFilePlayerでは、file->Add to playlistでファイルを次々と指定すれば、連続で再生してくれます。DecryptPlaybackの場合は、左端下のフォルダーアイコンをクリックし、ファイルを次々と指定すれば、連続で再生してくれます。
カメラ映像の記録ファイルは、NASのフォルダーうち、MultimediaやRecordingsに保存していますので、パソコンでネットワークでそのフォルダーを開き、これらのソフトで再生すれば（複数カメラを同時再生というわけにはいきませんが）1台分のカメラの記録映像に対しては、実用的なレベルで見ることができます。
なお、DecryptPlaybackは、16倍速まで可能ですが、AxisFilePlayerは１倍速のみです。また、逆に、AxisFilePlayerには気になる映像を静止画として記録する機能がついていますが、DecryptPlaybackには、それがありません。
（カメラ映像の記録ファイルはフォルダー位置を変更せざるをえない場合もあるので、複数ファイル連続再生＋倍速再生＋静止画クリップの３機能は、オマケ的な別ソフトとはいえ、標準で装備していてもらいたいものです。メーカーには、早く改善してもらいたいと思います。）

（＊３）
１つのカメラの画像を、時間帯をずらして、４～９分割して（例えば、１つの枠は、午前０時～６時、もう１つ枠のは、６時～１２時、さらにもうひとつの枠が１２時～１８時、さらに別の枠が１８時から２４時という具合に）同時並行に見られるので（ひとつの視野に収まりますので）、４～９程度でしたら、いちどに８時間分を同時にチェックできることになります。普段は誰も通らないような通路など、通行量が多くないような場所を見直したい場合は、いつ通るかわからない中、通るものは大きいので見落とす心配はないので、このような状況このような見方が時間の節約につながります（４画面を８倍速でみるということは、６０分÷８倍速×４画面＝7.5分で4時間分=15分で8時間分=45分で24時間分をチェックできる）。

（＊４）
過去の録画に改めて動体検知をかけられる機能は、インテリジェント検索というボタンを押して起動します。後から、長時間の録画をチェックしなければならないような時には便利です。ただし、倍速は１倍速なので、長時間のチェックには、実時間と同じだけ（過去7日間なら7日間）の時間がかかることを覚悟しなければなりません。

なので、現実的な使用方法としては、インテリジェント検索を起動し、パソコンを放っておいて、後で検知の一覧をクリックしながら、検知された映像を次々再生して見直すという方法にならざるをえません。（上記３機能に加えて、簡単でもよいので、検知機能と、数倍速の画像でも検知できる機能があれば、ほぼ完ぺきではないかと思います。）

（＊５）
検知録画を織り交ぜて録画した場合、camera companionとSurveillance Stationで、どちらが実用的なのかは、好みによって評価の分かれるところでしょう。

従って、以下に列挙した事柄が、参考なれば幸いです。

　１、camera companionは検知する範囲を指定できますが、Surveillance Stationは、画面全体が範囲で、検知するかしないか、しか設定ができないません。（検知する大きさが指定できるのは、camera companionではなく、AXIS camera内部の検知機能。Surveillance Stationは、インテリジェント検索のみ。）

　２、camera companionの検知はカメラ側で行われているので、カメラに対して負荷がかかっていますが、Surveillance Stationは、サーバー側で行われているようです。（これは推測です。その上、検知精度の比較はしていません。検知に失敗すると、自転車を隅を通っているのに感知しないということもあります。その点、用途によっては、検知精度の比較をしないと意味がありませんが、ここではしていませんので、この点ご注意ください。）

　３、通常録画の再生の動きの滑らかさはcamera companionのほうが滑らかです（８倍速再生でも、再生秒数が飛んでも、２～３秒間しか映っていない物の動きを見落とす可能性は低い）。そして、タイムスケールバーの拡大は、camera companionが15分が18ｃｍ（画面上）に対して、Surveillance Stationは1時間が6ｃｍ（画面上）が最大です。この差は大きいです。
　例えば、Surveillance Stationには、タイムスケール上にカーソルをはわせると、Youtubeのように、秒数ごとの画面がポップアップする機能があり、早送りより早く、ざっと見ることができますが、残念ながら、最大拡大しても1時間6ｃｍでは小さすぎます。１ピクセルのマウスの動きで１０秒程度が飛ばされてしまうので、残念ながら、カメラに検知の動きが映ったのかかどうかが、この「ざっと見」で判別できません。つまり、結局、再生に頼るしかありませんので、効率的なチェックができるというレベルにまで高められていないという点が残念なのです。
　また、検知録画位置を示す赤い印は、camera companionは同時再生している全てのカメラで見られるのに対して、Surveillance Stationは再生している１つのカメラ分しかみられませんので、同時再生時に、どのカメラが検知して、どのカメラが検知していないかを関連させ比較しながらも、見ることができません。

　４、検知録画が断続的にあって通常録画と交互に再生する時、camera companionは時々再生が遅れる＝待たされることが多いです。例えば、１つのカメラ画像で検知をかけておき、もう１つのカメラ画像と連動した内容を比較する為、同時再生させていくと、検知による再生切替が、１倍速でも２～４秒程度ずれます。倍速が高いと４秒程度のずれはほぼ確実です。
　しかし、Surveillance Stationは再生が止まったりすることがなく、安定的です。ただ、２倍速に速度を上げて再生すると、Surveillance Stationは５秒程度飛ぶ時があるので、確実性を求める場合は、２倍速以下にせざるをえません。そうなると結局は（使い方によっては、また、映っている場所によっては）、検知なし録画を１倍速で確認するのと変わらなくなる（再生時間を節約できない）可能性があります（Surveillance StationはQNAP内のCPUにも大きく左右されるのでしょうが）。

　このような状況ですので、camera companionとSurveillance Stationのそれぞれ得意の方法を予め把握しておき、用途に応じて、適した再生方法をその都度使い分けるしかありません（幸い、同時並行で録画できますので）。

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【ＯＳによる壁の問題、これを乗り越えるには】
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今の時代、ＯＳ環境に左右されるソフトは少なくなりましたが、防犯カメラ関係のものは、未だにその傾向は残ったままです。

AXIS camera companionは、Windows環境のものしかないというのが現状で、Macユーザーはカヤの外という状況です。
（AXIS cameraへのログインはブラウザーベースなので、activeXの必要な検知設定以外は、設定関係は問題なく行える。）

Surveillance Stationは、ブラウザーベースなので、Windows、Macなどの機種に依存しないようにみえます。
しかし、それは設定画面までの話であって、肝心の再生は、Macは別のアプリケーションQVR ClientをApp Storeからダウンロードして使う必要があります（設定画面から再生画面に切り替えれば、自動でダウンロードを促される）。

なお、QVR Clientのログイン画面は、最初ポートが80になっていますが、それではエラーになってしまいます。QNAPでSurveillance Stationを動かしている時のブラウザーのURL窓を確認し、それが192.168.100.25:8080なら、ログイン画面では8080と記載しないとアクセスできません。

QVR Clientは、（１６倍速まであるが）複数カメラの記録の同時再生ができないなど、特に、録画再生においては、Windows環境に比べると決定的に性能が低いので、補助的な使用しかできません。

もちろん、Mac用には、AxisFilePlayerもDecryptPlaybackもありません。

結論としては、OS依存度ではWindowsに偏っていると考えたほうがよいです。

また、防犯カメラ録画の動画ファイルは.aviなどのデーター形式を採用していますが、それぞれの防犯カメラサーバーシステムで採用しているデーター形式が違い、必ずしも幅広いアプリケーションで再生できるとは限りません。AXIS camera companionで録画したものはDecryptPlaybackでは再生できません。（もちろん、変換とか拡張子変更とかで対応できる場合もある可能性はありますが、対象のファイル数が膨大なのでそんなことをやっていられない、つまり、技術上の問題ではなく、実用的な運用の問題として、再生できないという結論になる。）

このような状況ですので、多少はなんとかなりますが、
現実的には、各社独自のソフトを使わないと、防犯カメラの映像を見直すことができません。

もちろん、、防犯カメラ録画の動画ファイルは.aviなどですから、Windows MediaやQick Timeなどで再生できます。しかし、連続ファイル再生や倍速再生など防犯カメラ映像を再生するのに向いた機能がありませんので、過去の防犯カメラ映像を見直すのには役不足で非効率です。

その上、動画ファイルはサイズが大きいので、外出先の細い回線では自由自在に再生することもできません。

これらの点をあわせて考えると、専用ソフトで動画を見直すことを第一にするより、
まず、第１は、検知を駆使して静止画を保存しておいて、それを見直す。
そして、第２に、あたりのついたところで、それ以上の詳しいところは、防犯カメラサーバーの専用ソフトで見直す。
というように使用方法を分けた方がよいように思われます。

したがって、もっと柔軟にオープンに、ということを指向し、
カメラの映像をjpegでNASのフォルダーに保存し、一般のファイル閲覧ソフトからみるという発想は、
あながち間違いではありません。

なぜなら、一般のファイル閲覧ソフトであれば、
Windowsはもちろんのこと、MacOSXのFinder、そして、iPhone、Androidなど、
OSの違いに阻まれることなく閲覧が可能だからです。
（そうなれば、まず第一の確認は、外出先のスマホでも可能にすることにも現実味がでます。）

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【NASは、Qnapだけなのか？　それとも、もっと高性能のものがあるのか？問題】
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前回の序論では、QNAPをベースに専用サーバーを開発しているR.O.D. VioStorシリーズがあることを紹介しました。

実は、NASで構築する監視カメラサーバー（防犯カメラサーバー）の選択肢は、他にもあります。

サーバー(NAS)を、Qnapでなくて、Synologyを使う方法です。

QNAPとSygnologyの２つのメーカーを比較した場合、どちらに部があるかといった性能比較は別として、防犯カメラサーバーの選択肢としてのNASですが、QNAP以外に、Sygnologyがあり、しかも、Surveillance Stationがありますので、同様のことが可能です。単なる推測にすぎませんが、QNAPとSygnologyも、UNIXの流れを汲むOSを使っているので、このようなことが起こるのかもしれません。（QNAPは台湾製、Sygnologyも台湾製です。）

外部サイト：　synology社 Surveillance Station 7.0

ちなみに、2015年5月現在で、QnapのSurveillance Stationは5.0なので、SynologyのSurveillance Stationの方がバージョンが高いことになります。いずれQNAPのバージョンが追いつくにしても、その間、7.0で提供されている性能アップ部分はSynologyを使う方が享受できることになります。

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つづきは、次の実際の設定で。

少しでも　参考になるようでしたら　いいね！　よろしくお願いいたします